岸田文雄首相が来年9月の自民党総裁選で再選を果たす為に
奇策を用意しているという(『文藝春秋』6月号)。
「岸田を支持する主流派内でささやかれるウルトラCが、
憲法改正と衆院選の『ダブル選』だ。ある閣僚経験者は言う。
『来年の通常国会で憲法改正を発議した後に、衆院を解散し、
国民投票と衆院選投票の同日選に勝利すれば、総裁選は無投票になる』…
与党の自民、公明、野党の維新、国民民主も、大災害や感染症流行で
国政選挙が行えない緊急時に議員任期を延長できるようにする規定の
必要性では大筋で一致している。
いきなり9条改正は難しいとしても、緊急事態条項なら岸田が
(自民党)総裁として決断さえすれば、来年の通常国会で発議
できなくはない。
国民投票・衆院選の同日選は大博打に見えてメリットも大きい。
防衛費増額や少子化対策で来年4月から国民負担増になるとしても、
決まったことには慣れやすい国民性だ。
数ヵ月もすれば忘れる。
来年の通常国会終盤に憲法改正を発議すれば、マスコミの関心も
改憲の是非に移るに違いない。
改憲発議の勢いのまま衆院を解散すれば、国民投票運動との相乗効果で
総選挙に勝てる可能性も高まる。
連続7年8ヵ月の長期政権を築いた安倍ですらなしえなかった改憲を
実現すれば、岸田は安倍を超える大宰相になる。
総裁選の対抗馬など容易に封じることができる。
権力の魔力に取り憑かれた政治家にとっては、最高法規たる憲法も
権力闘争のツールになるのだ」
―との見立てだ。
果たして…。
【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/